目標を達成させるための
「行動の変化」に着目する

 筆者が、産業カウンセラーとしてカウンセリングを行う場合、対象となるクライアントには条件があります。それは、対象者が「病気を治療するべき人」ではなく、「成長、向上が期待される人」であることです。

 その上で、クライアントに目標を達成させるためには、クライアントの「行動の変化」に着目しながら向き合います。この手法は、目標を達成させたい現場の管理職にも有効で、部下の行動の変化に着目することで、部下の成長に役立ちます。

 具体的な行動の変化とは、部下が今まで躊躇していたお客様へのアプローチや発言ができるようになったこと、感情のコントロールができるようになったこと、そして物事の考え方や問題解決手法の変化などです。

 管理職が部下の「行動の変化」に着目することによって、部下は、自分の成長を客観的に捉えることができ、最終的には、目標達成のために具体的に何をどのようにしていけばいいのか、自分で考え行動へ移すことができるようになるなどの効果を発揮します。

 今回の事例では、異業種からの転職で、営業に不慣れな部下の「成長」に着目することが重要なポイントになります。

 では、どうすれば良かったのでしょうか。会話から学んでいきましょう。

Eリーダー 「Aさん、今月の目標達成のためにはどうすればいいと考えているの?」
Aさん 「そうですね、やっと営業職に慣れてきたところですが、数字が伴わなくて…」
Eリーダー 「たしかに、営業は数字で評価されるからね。最近の変化としてはどんなことがあるか教えてもらえる?どんなことでも大丈夫ですよ」