人の視線を推定するNECの技術。挙動不審な人物を監視カメラで見つけ、職務質問などをして犯罪を防ぐ。Photo by H.S.

 NECの顔認証技術は米政府機関の性能試験で世界一になっており、技術の高さは折り紙付きなのだ。セキュリティー事業で世界70カ国以上に700超のシステムを納入するなど実績も豊富だ。

 だが、売上高3兆円のNECの看板事業が2000億円規模では心もとない。セキュリティー事業の真価は20年以降、3倍、4倍と拡大させられるかどうかで決まる。

“監視社会”中国企業が猛烈な追い上げ
軍事スペックも

 下図を見てほしい。NECが狙う生体認証と映像解析の市場規模は20~25年にそれぞれ6兆円を超えるとみられている。現在の市場が3倍に膨らむのだ。