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NECは何の会社になるのか──。そう問われた際、新野社長は顔認証技術を活用したセキュリティー事業を挙げる。確かに技術は世界トップレベルだが、ビジネスで勝てるかは別問題だ。

 縮小を続けてきたNECがついに反転攻勢に打って出た。英IT企業、ノースゲート・パブリック・サービスを1月に買収したのだ。

 顔や指紋の認証技術で犯罪捜査などに貢献するセキュリティー事業を海外で伸ばしたいNECにとって、英国の警察向けITサービスに強いノースゲートの顧客基盤は魅力的だった。買収額は約700億円で、NECにとって2000年以降、最大のM&Aとなった。

 NECはセキュリティー事業を成長戦略の目玉にしており、17年度に500億円だった同事業売上高を、20年度に2000億円にする目標を掲げる。

 この目標について幹部は「手応えはある」と強気の見通しを示す。それには理由がある。