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現場力を伸ばす先端IT活用の鉄則

ついに、ロボットが
リアル・ビジネスを変える日が来た?!

安間裕
【第9回】 2012年5月9日
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 従来の「自動倉庫」でも行われていたように、動きの鈍い製品の棚は倉庫の奥に集まり、売れ筋製品の棚は、前方のロケーションに集まる必要があります。キバでも、夜中、無人で、この「棚整理」が行われます。

 夜中、真っ暗な無人の倉庫で、棚がすごいスピードで「整理」されていく模様は、まさにSFです。昔、映画などで良くあった「ロボットの反乱」を予感させるのは、私だけでしょうか?

 キバによってもたらされた効果は、コストが50%ダウンだとか、1倉庫で400人の省力化だとかの報告がされており、斬新さとその実績が認められ、2011年の米国エコノミック・インパクト・アワードを獲得しています。

 アマゾンがすごいのは、このシステムを導入して、大幅な効率化を行っただけでは気がすまず、会社ごと、買っちゃったところです。

 こういうものが登場すると、いろんな話が出てくるのは世の常ですが、「ロボットが雇用を奪っている」とか「人間がただの道具になって、ロボットに使われている」といったネガティブな意見から、「ここまで来たら、ピッキング作業もロボットでいいのに…」という、ポジティブだかネガティブだかよくわからない意見も、大量にツイートされているようです。

 産業用ロボットと言えば、皆さんは、溶接・組立ロボットなどを思い浮かべるのではないでしょうか。この分野は、ファナックや、安川電機など、長きにわたり日本のお家芸で、安川電機は、生産台数は世界一だし、技術力もキバに決して負けていないと思います。

 しかしながら、これまでの産業用ロボットは、「人間が行っている作業をもっと上手に行う」ということが、発想の起点だったのでは、と思っています。

 でも、キバは、ロボットの存在を前提とし、全体最適として、それぞれの特性から、人間の行うべき仕事と、ロボットが行うべき仕事に分け、業務プロセスをゼロから再設計しています。これまでの常識を捨て、全く異なる視点で全体を考え直したところが、一番すごいのではと思っています。

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グローバル経済のなかで地盤沈下の進む日本。再びIT先進国として飛躍するためには、ITをビジネスの武器とする発想が必要だ。ビジネスは現場が肝心。現場の意思決定のスピードアップなど現場力向上に先端ITをどう生かしていけばよいか、IT業界のフロントランナーがわかりやすく解説する。

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