ななつ星のクルー人事は
ダイバーシティの象徴

水戸岡 人事といえば、「ななつ星」のクルー(乗務員)に採用された方々は非常にバラエティに富んでいますね。

唐池 そうですね。スタート時には、社内での登用に加え、社外からさまざまな業界の経験者、エキスパートを迎え入れました。経験豊かなキャビンアテンダント、名門ホテルを渡り歩いたコンシェルジュにマスターバーテンダーなど。さまざまな場所でプロとして“おもてなし”を実践してきたクルーたちが、運行までの間に「ななつ星ならではのおもてなしとは何か」を突き詰める会議や合宿を幾度となく行いました。

水戸岡 ヨーロッパや東南アジアで行った豪華列車の視察でも、車両のつくりもさることながら、最も参考になったのは乗務員のサービスや働きぶりですよね。

唐池 イースタン&オリエンタル・エクスプレスでは、乗務員が何度となく客室をノックしてきました。「ミスター、お茶はいかがですか」「デザートはいかがですか」「空調の具合は?」「何かお困りのことは?」etc…日本的な「つかずはなれず」とはまた全然違うにぎやかな接客なんですが、彼らの笑顔が素敵でね。私の大好きな「気」に満ちているんですな。

水戸岡 ヨーロッパの豪華列車で感じ入ったのは、乗務員の働きぶりですね。接客サービスもそうだけど、掃除やメンテナンスがすごかった。お客さまが客室に戻られ、接客が一段落ついた時間帯に今度は床を猛然と磨いていたりする。

唐池 いいですな。清潔こそがいちばんのおもてなし。私が常々、話していることのひとつです。

水戸岡 「ななつ星」のクルーたちのワークフローには、このときの視察で得た知見が大いに生かされていますね。彼らもほんとうによく働く。

唐池 だから、「ななつ星」はブラック職場です(笑)。

水戸岡 またまた(笑)。あんなに骨身を惜しまず働いて、それでいてみんなキラキラとした笑顔を浮かべている。素敵な職場ですよ。

2018年10月15日、博多駅にて。
開業から5周年、6年目を迎えたななつ星は、新たなテーマソングとともに444回目の出発式を迎えた

“キラキラ職場”のななつ星のクルーたちの驚きの行動とは!?
 次回に続きます。