週刊ダイヤモンド2018年10月6日号第1特集は「新幹線vs飛行機 十番勝負」。本誌では、九州新幹線の西九州ルート(長崎ルート)の整備方式を巡り、国と自治体、JR九州ら利害関係者の間で議論が紛糾していることを詳報した。現状の計画では、博多から長崎に行く場合、新幹線と在来線を2回も乗り継ぐ必要があり、JR九州と長崎県は新幹線の利便性が薄れてしまうことを危惧している。一方、ルート上の途中駅を担う佐賀県は、新幹線の費用対効果に疑問を呈して、JR九州と長崎県が推す整備方式に反発している。双方の主張が平行線を辿るなか、JR九州は新幹線をどのように捉えているのか。青柳俊彦社長に話を聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

青柳俊彦・JR九州社長
あおやぎ・としひこ/1953年福岡県生まれ。77年東京大学工学部卒業後、日本国有鉄道に入社(87年に民営化、JR九州に)。2001年鉄道事業本部運輸部長、04年鹿児島支社長などを歴任したのち、14年社長に就任

――新幹線VS飛行機の“永遠の異業種対決”に2011年、九州新幹線も加わりました。飛行機に対して、九州新幹線はどのくらい強みを発揮していますか。

 まず申し上げたいのは、当社と本州3社(JR東日本、JR東海、JR西日本)では見方が違うということです。本州3社は飛行機を競合と見ているでしょうね。けれど当社は、とにかく九州に人が来てもらうことが大事だと考えていて、それは船でも飛行機でも構わない。

 九州に来たお客様を各地にお運びする。それが当社の使命であって、そのスタンスは九州新幹線が出来る前と後で変わっていません。だから飛行機をあまりライバルだと思っていないんです。

 とはいえ九州新幹線と山陽新幹線が直通するようになって、関西~九州は意識し始めました。

 実際、熊本~大阪は新幹線対飛行機のシェアが4対6だったのが、新幹線の全線開業により逆転しましたし、鹿児島~大阪は同2対8が3対7に変わっていて、さらに新幹線+飛行機の総需要が増えている。面白いことです。

――飛行機がライバルでないなら、何がライバルですか?