独立組の記者たちこそが
権力を震え上がらせる

 もちろん、「朝日」におられた時から立派な調査報道をしていたのだろうが、「ジャーナリスト」と「朝日新聞社社員」という二足のわらじを両立させるため、自制をせざるをえない部分がたくさんあったというのは、容易に想像できよう。

 よその国と同じ程度まで日本の新聞社の規模が縮小すれば、こういう優秀なジャーナリストの方たちが野に放たれる。もちろん、その中には収入面などから他業種へ転職される方もいるだろうが、ワセダクロニクルのような調査報道をされる方たちも当然たくさん出てくるのだ。

 そこで想像してほしい。皆さんはどんなジャーナリストが、権力者の暴走を止めることができると思うだろうか。

 まずは、世界でも稀なほどの大部数を発行する巨大新聞社で、定年まで勤め上げるサラリーマン記者。権力者をネチネチと批判することはあるが、経営陣はその権力者と会食やゴルフを楽しんでいるので、実は八百長プロレスなのではないかという疑惑もかけられている。

 一方、そんな大企業を辞め、収入を大きく減らしながらも己の信念に基づき調査報道を続けていこうという人々。テレビや新聞では扱わないようなテーマを調査報道で切り込んでいく。「俺たちを大事にしないと言論の自由が滅びるぞ」などと権力者に特別扱いするように求めることはせず、社会に活動の意義を訴えて、支援やカンパを広く募る。

 後者のような方たちが増えた方が、権力者が震え上がるのは目に見えている。

 Koki,さんの全面広告にあったように、新聞業界は「新聞で、未来をひらこう」と国民に訴えているが、特権にしがみつき、それを守ることに汲々としている人たちの言論をどんなに読み漁ったところで、未来がひらかれることなどないのではないか。