基地問題は沖縄だけの話ではない…六本木ヒルズのスレスレで起きている、米軍ヘリ超低空飛行の現実写真はイメージです Photo:PIXTA

基地問題と聞くと、多くの人は沖縄を思い浮かべるだろう。しかし、同じことが東京のど真ん中でも起きている。六本木ヒルズをはじめ、高層ビル群をぬうように米軍ヘリが超低空飛行しているというのだ。地元の港区議会は全会一致で基地の撤去を求めてきたが、その動きに変化が生じている。港区基地問題の行く末を占う。※本稿は、毎日新聞取材班、ジャーナリストの大場弘行『首都圏は米軍の「訓練場」』(藤原書店)の一部を抜粋・編集したものです。

米軍ヘリコプターの離着陸に
港区の区長も議会も重大な懸念

 わたしが米軍ヘリの観察を始めたのは2020年。そのころから、都心のいたるところでビルの建設工事が行われていた。工事現場から現れた鉄筋の骨組みは夏のヒマワリのようにぐんぐん伸びていき、いつの間にか巨大な高層ビルに成長していた。経済活動が活発な都心では当たり前の光景なのだろうと気にもとめていなかった。

 だが、2023年、港区役所がつくったある議事録を見て、わたしは認識をあらためる。

 その議事録の表題は、「米軍ヘリポート基地に関する要請行動報告」。2023年2月7日に武井雅昭港区長、結城公美子港区議会議長、区議、住民代表らが防衛省に赴き、六本木の赤坂プレスセンター(編集部注/東京都港区六本木にある在日米軍施設)の撤去を要請した時の発言を記録したものだった。

 港区と区議会は、米軍ヘリによる騒音被害や墜落への不安があるとしてセンターの早期撤去を長年求めており、毎年、防衛省を直接訪ねて撤去の要請をしている。

 とはいえ、防衛省は例年「現時点での返還は難しい」と繰り返すだけで、撤去に向けて何かが動き出すことはない。このため要請行動自体が「形だけの年中行事のようになっている」と批判されることもあるぐらいだ。