内税方式のメリットは他にもある。消費税を表示しなくなれば、レジのシステムを消費税増税のたびに変更する必要がなくなり、売り手の負担が小さくなる。そうすれば、今回のように「数年に1度、2%の増税」ではなく、「3ヵ月に1度、0.3%の増税」といったことも可能になる。

 こうすることにより、売り手にとっては消費税も原油価格も人件費も、変動するコストの1つになるのだ。

駆け込み需要を抑制し
反動減も和らぐ

 もっとも、今回は増税幅が0.3%ではなく2%なので、駆け込み需要と反動減は当然、生じるだろう。

 そうなると、売り手の中には上記したように「労働力不足で駆け込み需要に対応できないから、消費税分を早めに転嫁して駆け込み需要を抑えよう」というところが出てくる一方で、「駆け込み需要の反動減が収まるまで転嫁は待とう」というところも出てくる。

 そうなると消費者は、売り手の価格設定を見ながら買い物をすることになるから、駆け込み需要は控えめなものとなり、反動減も緩やかなものとなると思われる。

 少し話はそれるが、日銀は消費者物価指数の上昇率を2%にまで高めようとしている。だが、これは「消費税率引き上げの影響を除いたベース」の話。ところが、消費税を転嫁しない自由を売り手に認めてしまうと、値上げが消費税の転嫁だったのか、それとも人件費高騰分の転嫁だったのかの見極めが難しくなる。

 とはいえ、日銀のためにせっかくの“秘策”をあきらめる必要はないから、そこは日銀に工夫してもらうしかない。