今日、航空会社も、通信会社も、ストリーミング音楽配信サービスも、新聞社も、同じ質問を自らに投げかけている。

・会員にとって、この新しいサービス(または新しいルート)の価値は何か?
・会員は私たちが提供しようとしているようなサポートを受けているか?
・会員はいつまで会員であり続けてくれるのか?
・わが社の成長率はどうなるのか?外からはどう見えるのか?
・利用状態のどこを見れば、どこにリソースを重点配分すればよいかわかるのか?
・どの会員がチャーン〔解約・離脱〕しそうか?

 現在、サーフエアの利用料は月額約2000ドルだ。経済的にゆとりがあるか、会社の経費で落とせるか、いずれにせよ相当なフリークエント・フライヤーが対象であることは間違いない。しかし、やがてこのモデルは、自動車業界がそうなりつつあるように、航空業界全体に広がっていくだろう。それは時間の問題である。

(本原稿は書籍『サブスクリプション』からの抜粋です)

〈バックナンバー〉
第1回 フォーチュン500に入り続けている企業の共通点とは?
第2回 急成長企業のビジネスモデルはここが違う
第3回 加速する自動車業界のサブスクリプション

ティエン・ツォ(Tien Tzuo)
Zuora創業者兼CEO
セールスフォース・ドットコムの創業期に入社し、CMO(最高マーケティング責任者)やCSO(最高戦略責任者)を歴任。同社での経験から「サブスクリプション・エコノミー」の到来をいち早く予見し、2007年にZuoraを創業しCEOに就任。Zuoraは、従来のプロダクト販売モデルからサブスクリプション・モデルへのビジネスモデル変革と収益向上を支援するSaaSプロバイダで、世界に1000社以上の顧客を持つ。2018年4月にニューヨーク証券取引所に上場。