かさむ費用に、先の見えない治療。冷静を保てと言われる方が難しい状況だが、一歩間違えれば金も伴侶も失ってしまう。そんな“妊活クライシス”に陥らないためのノウハウを解説する。
2015年の谷本さんの治療費。確定申告で医療費として申請すれば、幾らか返ってくる場合も Photo by S.N.

 「外車1台は買える金額です」。不妊治療の経験者たちは、これまで費やした治療費について、このように例えることが少なくない。

 不妊治療の経験者1111人を対象に、治療費の合計を調査した結果が次の図だ。実に半数近くが100万円以上と回答している。2年間で19回もの顕微授精にトライした谷本恵子さん(仮名、41歳)もその一人。不妊治療以外でも、サプリメントや漢方、鍼灸などあらゆる代替療法を試したばかりか、“妊娠しやすくなる”という温泉にも足を運んだ。