フロントのトップだけでなく、指揮を執って3年目のマッシモ・フィッカデンティ監督の辞任を求める声が上がった中で、竹原社長は「少し背伸びをしてでも補強をする」と明言。その答えが7月に加入した元スペイン代表のエースストライカー、フェルナンド・トーレスであり、常勝軍団・鹿島アントラーズから電撃的に移籍したFW金崎夢生だった。

 巻き返しへの陣容が整ったかに映ったが、チーム状態はなかなか好転しない。3度目のミーティングを開催した時点で、サガンは17位と依然としてJ2への自動降格圏にあえいでいた。18チーム中で5番目に少ない総失点31と守備陣が踏ん張る一方で、トーレスや金崎が加入したにもかかわらず、総得点23は断トツのワースト1位だった。

なぜ残り5試合でミーティング開催?
解任監督を登壇させる場面も

 日本代表戦の開催に伴い、リーグが中断した10月9日にはフィッカデンティ監督に代わり、サガン鳥栖U-18監督とトップチームのコーチを兼任していた37歳の金明輝氏が指揮を執ることが決定。前監督の今後については「協議中」のまま、3度目のミーティングを迎えていた。

 なぜ残り5試合になった段階なのか。2日後の20日には敵地でベガルタ仙台戦を控えた状況だったからこそ、突然の指揮官の交代を含めた現状を可能な限り説明。初めて昇格した2012シーズンから戦い抜いてきたJ1へ、何がなんでも残留するムードを作り出すための決起集会としたかった。

「この順位で皆様に不安を与えたことについて、あらためてお詫び申し上げます。2011年から社長をさせていただいて、いつも最善を目指してきた中でこうなったことも皆様にお伝えしたい」

 冒頭で頭を下げた竹原社長は、登壇者の中でただ一人、マイクを握らない。遠くまで通ると自負する、やや甲高い地声でサプライズを告げた。直前にシーズン途中での契約解除及び退団が正式に決まったイタリア人のフィッカデンティ前監督、腹心のブルーノ・コンカ前コーチが突然登壇したからだ。

 驚いたサポーターから大きな拍手で迎えられた2人は、10分以上にわたってサガンへの感謝の思いと、J1残留へのエールを送った。解任された監督がサポーターの前に出てくるのは極めて異例のケース。挨拶を終えた2人を握手で送り出した後に竹原社長が続いた。