東芝は“負の遺産”であるLNG事業を2019年3月末までに中国企業へ売却する予定を明らかにした
Photo by Reiji Murai

 東芝の救世主として現れたのは、大穴の中国企業だった。最大1兆円の損失を出す恐れのあった東芝が保有する米国テキサス州の液化天然ガス(LNG)プロジェクト「フリーポート」。紆余曲折を経て、中国の民間ガス大手ENNエコロジカルホールディングスに売却することで同社との間で合意した。

 この事業の売却はハードルが高かった。週刊ダイヤモンド11月3日号で既報(「東芝のLNG売却交渉、最終調整でも気が抜けない2つの心配事」)の通り、まず複数の国内企業に売却の感触を探るもそっぽを向かれた。

 入札に参加したのは海千山千の海外勢で、タフな交渉を迫られた。大本命とされた米ガス大手のテルリアンと最終交渉に入るも11月初旬、破談した。

 フリーポートのプロジェクトは、2019年から20年間、年間220万トンのLNGを引き取るもの。東芝は20年の契約を望んだが、市場の流動性を高めるために短期の契約で柔軟性を持たせるのが今のマーケットのトレンド。故にテルリアンは長期契約を受け入れ難かったのである。

 ここで入札に参加していた石油メジャーの米エクソン・モービル、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルを押しのけて登場したのが、ENNだ。東芝の平田政善CFO(最高財務責任者)によると「候補先の中で最も破格の条件だった」。