こうした事態をクリアするには、課長・次長クラスの方は、前述したような「実務者×税理士事務所職員」の方による業務改善案を傾聴して、適宜アドバイスを挟みながらゴーサインを出すことのほか、税理士事務所側に対しては、十八番である財務会計を通して、経営体質の改善・強化策案を求めて実行していくことで、経理部は管理会計などに集中できるチームワークが構築できるはずです。

 税理士先生を目上の顧問役といった位置付けにするほか、精通している分野を担ってもらい、経理部全体が本業に従事できる体制づくりは、昨今の人手不足を言い訳にすることなく、これまでの方法を冷静に疑い、経理の役目や業務の改革を検討・実行する姿勢が、スタンダードになり得るのです。

【部長・本部長編】
自社の経営ビジョンを共有し
第三者の目でアドバイスを求める

 経営者に近い経理部長・本部長クラスの方が講ずる策は、顧問税理士と自社の経営方針を共有し、社外コンサルタントである税理士ならではの第三者の目から見たアドバイスを求める考え方が外せません。もしも、経理部の最上位にいる部長や本部長クラスにいる方が生え抜き社員の場合、自社に対する思い入れが強かったり、バイアスがかかったりして、経営者に対してこれまで講じられた無難な策ばかりを助言するケースが少なくありません。

 本稿をお読みの経理部長・本部長クラスの方は当てはまらないでしょうが、ここまで上り詰めた方だからこそ、謙虚な姿勢で第三者の意見を傾聴し、自身の立ち位置・思考スタイルを客観視する必要があります。

 もちろん、全てにおいて万能な税理士など僅少で、自社の業種や経営ノウハウなどは、読者諸氏の方が精通しているはずです。だからこそ、様々な業種の経営スタイルを見ている税理士の立場で見た意見を踏まえながら、今後の自社における経営方針を具体的に伝え、他の業種の手法からでも参考にして、さらに良き道・方法を求めて最善を尽くせるのは、この立場にいる方のみなのです。