私は40代のとき、所属していた陸上自衛隊に、外国にあって日本になかった「非通常作戦を遂行できる特殊部隊」をつくるため、アメリカ軍の特殊作戦スクールに学んだことがあります。その訓練は、肉体だけではなく精神に過酷なストレスをかける時間と空間の中に放り込まれるという、日本では予想もできないようなものでした。

 全米から選抜された屈強な若者たちが続々と脱落していく中、広大な原野で、水中で、空中で、そして都会のど真ん中で……次から次に新しいシナリオが与えられ、答えの見つからないカリキュラムをこなしていかなければなりません。

 そこで試されるのは、「究極の緊張状態でも、目的を達成するため常に心身を働かせることができるか」という命題だったのです。

「緊張しにくい性質」になれば
緊張を恐れないですむ

 同じ状況に直面しても、緊張による動揺の度合いは人によって大きく異なります。

 たとえば、就活のグループ面接。

 数人が同じ部屋にいて、同じ面接官や試験官からの質問に答えていくわけですが、頭の中が真っ白になってしまって自分の考えをうまく伝えられない人もいれば、ドキドキしながらもハキハキとした落ち着いた声でしっかりと発言する人もいます。

 いくら筆記試験の成績が優秀であっても、面接の場でまともに受け答えできないとなると、残念ながら採用されることはないでしょう。

 緊張するのは、気持ちの面で弱いからと思われがちですが、精神力に問題があるわけではありません。

 普段は前向きだったり、粘り強かったりしてタフなのに、なぜかここ一番に弱いという人もいたりします。やる気に満ちあふれているタイプが、意外と本番で気合いが入りすぎて空回りしてしまうこともあります。

 精神力のあるなしと、緊張するしないは、必ずしも結びつかないのです。

 それはなぜか。