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携帯子会社の上場について「親会社の資金調達の手段」と言い切るソフトバンクグループの孫正義社長。キャッシュの源泉の値下げは容認できないか? Photo:つのだよしお/アフロ

「上場は果たして誰のためのものなのでしょうかね」。ソフトバンクグループ(SBG)の携帯子会社ソフトバンクが12月19日に新規上場すると決まったことに、競合の大手携帯幹部は冷ややかだ。上場する子会社の時価総額の想定は7兆1800億円に上る。親会社であるSBGは保有株の約36%を売却し、最大で約2兆2600億円もの資金調達を目指す。

 そしてこの売却資金を、人工知能(AI)など先端技術分野への投資に充てるのが、世界的な投資グループを目指す孫正義SBG会長兼社長の狙いだ。

 孫社長自身が携帯事業への関心を失っているのは明らか。一方で、グループにとってこの事業が生み出す年間5000億円規模のフリーキャッシュフローは見逃せない。

 携帯子会社が提出した有価証券報告書によると、配当性向は85%にも上る。この高配当を受け取るのは、上場後も6割を超える筆頭株主の親会社に他ならない。グループで13兆円の純有利子負債の返済もあり、携帯事業の安定的な収益は今後も重要な資金源だ。