ドナルド・トランプ米大統領の経済面での積極的な圧力は、中国の習近平国家主席を交渉のテーブルに着かせる上で役立った。しかし、両首脳が30日のブエノスアイレスでの会談に向けた準備を進める中、米交渉担当者らが関税措置と中国の輸入拡大だけで合意をまとめられると考えるのであれば、それは間違いだ。中国の真の脅威は、両国間の国際収支が示すものよりも、はるかに深刻なのである。その脅威は、中国の重商主義的な経済モデルへの傾倒にある。特に、主要技術の開発で米国と米同盟諸国を凌駕するための、豊富な資金とトップダウン型の幅広いプログラムの中に潜んでいる。その中には、世界貿易機関(WTO)の多くの規定に反する補助金、強制的な技術移転、国内市場の閉鎖性などが含まれる。米国とその同盟諸国は中国に対し、米国の圧力に屈した印象を持たれずに合意を結ぶ妥当な機会を提供しながら、中国の向こう見ずな行動の代償を大きくするための協調行動をとる必要がある。