加盟店獲得に数千人

 大手チェーンの開拓もさることながら、ペイペイが注力するのは飲食店をはじめとする中小の加盟店の獲得。ここで躍動しているのは、ソフトバンクの営業部隊だ。

 既に全国20カ所に営業拠点を開設し、ソフトバンクからの出向者や契約社員を含めた加盟店獲得のための営業人員は、「数千人規模」(中山社長)まで膨れ上がった。

 陣頭指揮を執るのは、ソフトバンクから送り込まれたペイペイの馬場一取締役。2000年代初頭、駅前でヤフーBBのADSLモデムを無料でばらまいた“伝説の営業部隊”で活躍した人物である。

 ソフトバンク流の泥くさい営業は健在で、営業所では、「契約が取れないのに、なぜ帰ってきたんだ」と上司が部下を“詰める”怒声が飛び交っているという。

 ただ、営業部隊の声は即座にサービス改善に反映している。その一つが、10月25日から始まった中国アリババグループのQRコード決済「アリペイ」との連携である。

「アリペイユーザーも利用できれば、『インバウンド客を取れますよ』という、加盟店を口説くための武器になる」

 ペイペイ関係者によれば、こうした営業部隊からの報告を基に、ソフトバンクの宮内謙社長が乗り出してアリババ側と交渉し、アリペイとの連携をまとめたという。

 サービス開始が10月4日と、競合のLINEや楽天などと比べて後発組であるペイペイ。ソフトバンクの営業力で一大勢力に成長できるか。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)