このように、一見全く無関係の日立国際電気株を9%弱取得し、その裏で懸案だったアンサルドSTS株をきれいに処分したエリオットが、単純に、オアシスの言う1株300、エリオットの保有分では約20億円程度の配当金欲しさにオアシス提案に乗り、アルプス・アルパインの統合に反対するとは考え難い。

 事実、エリオットは、すでにアルプス株を2200万株(時価総額約540億円)、アルパイン株を683万株(同126億円)保有している。今回の経営統合案が会社提案のまま可決されれば、発行済株式数は約2億2300万株になり、そのうちエリオットは約2700万株、約12%を保有する大株主となる。

エリオットは
オアシス案に反対か

 自動車車載事業は、今後も再編が進むとみられているセクターの1つで、アルプスとアルパインが統合すれば、グローバルの視点から見ても1つの大きな勢力になる。そうした新会社の株式を12%を保有する方が、より大きなリターンが期待できる──。エリオットがそう踏んでいたとしても不思議ではない。

 アルパインの小林俊則取締役は、10月30日の決算会見の席上、「(親会社のアルプスと一緒に)グループで対応している。(エリオットは)統合には基本的に賛成と受け止めている」としている。さらに、アルプス電気の気賀洋一郎取締役も「(エリオットへの対応は)アルパインと情報共有しながらやっていく」と話している。

 11月26日、親会社であるアルプスは、来年1月に予定する子会社アルパインとの経営統合後に、400億円の自社株買いをすると発表した。エリオットは、この動きを歓迎するコメントを発表。統合後を見据えていることが示された形で、来週の臨時株主総会での動きが見えてきた。

 足元の利益を追求するオアシスに対して、より長期の戦略的な投資スタンスをとるエリオット。両ファンドの動きを注視している国内外の機関投資家は、果たしてどのような投票を行うのだろうか。