なぜ自分が市長なのか?
私が学生時代に政治家を志したときは「国政」をイメージしていました。国や世界をよくしたいと思っていたのです。ですから、その打診を受けた瞬間は「どうして市長なのかな?」と思いました。
しかし、すぐにその答えが自分に降りてきました。
日本という国は、それぞれ個性の異なる地方の総体であって、地方都市がそれぞれの個性で最高に輝くことで、結果的に、国が宝石箱のように輝くことができる。つまり、地方都市をよくすることが、最速でこの国を変えることになるのだと。
そう考えると、私が福岡でキャスターとして13年間、福岡市の祭りや食、自然の魅力、さらに地域の課題を最前線の現場で取材し、伝え続けてきたことともつながり、天から降りてきた答えがストンと腑に落ちたのです。
また当時は、宮崎県の東国原英夫知事や大阪府の橋下徹知事が活躍されていました。地方は首長のリーダーシップがあればスピーディーに変えられるということを、多くの人が認識し始めた頃でもありました。
翌日、「市長選に出ます」と石村市議に返事の電話をしました。かつて市長をしていた祖父の初盆直後という意味深なタイミングであったことを思うと、亡き祖父が私の背中を強く押してくれていたのかもしれません。