2020年春に開業し、折しも世界の注目が集まるオリンピックの年に、東京の玄関口にふさわしい未来志向の名前をということですが、日本に来る外国人は間違いなく混乱することでしょう。ゲートウェイの名前のある駅で降りても、東京都内に向かうゲートウェイ的な交通機関は存在していないのですから。

 訪日外国人のユーザビリティを考えるなら、品川と東京をそれぞれ「品川ゲートウェイ」「東京ゲートウェイ」に改名すべきでしょう。コンセプトにこだわるのであれば、冒頭の「高輪口」で十分。キラキラネームにこだわるのであれば、高輪大木戸にかけて洋ランを意味する英語から、「高輪オーキッド」の方が外国人は混乱しないでしょう。

ビジネス視点でゴーサインが出た
上野東京ラインの建設

 しかし、JR東日本は上場する営利企業です。そしてここに「高輪ゲートウェイ駅」のビジネスモデルの秘密が登場してきます。

 2015年に開通した上野東京ラインは、東京在住の方ならよくご存じだと思います。東北本線(宇都宮線)、高崎線、常磐線と東海道本線をつないで相互直通運転ができるようになった、長年の夢であり首都圏を便利にしたあの路線です。

「この線路があったら首都圏の鉄道はさらに便利になる」ことがわかっていても、上野-東京間を絶妙に上下に構造物の間を抜きながら鉄路を走らせる難工事路線であることと、その総工費が300億円(注/計画時。実際には400億円)に上ることから、なかなか計画を先に進めることができなかったのが、この上野東京ラインでした。

 ところがビジネスの観点で考えると、上野東京ラインの建設は、JR東日本に投資額を1ケタ上回る莫大な利益をもたらすことが判明し、この計画にゴーサインがかかりました。

 それが今回の「高輪ゲートウェイ」開発です。東京上野ラインが完成することで、品川の巨大な鉄道基地が不要になり、かなりの面積を別の場所に移すことができるようになる。そうなれば、巨大な跡地を都心の不動産として開発できる。そのことでJR東日本は、巨大な都市開発利益を手にすることができるようになるのです。