英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)をめぐるこれまでの政治ショーの中には、啓発的な内容はほとんどなかった。しかしテリーザ・メイ首相に対する12日夜の反乱が失敗に終わったことで、1つの点が明確になった。メイ首相は与党保守党内部の主導権奪取の挑戦を退け、他の保守党議員らに対してブレグジットの決断を順守する行動の開始を強いるのに成功したということだ。保守党内のブレグジット強硬派である「ヨーロピアン・リサーチ・グループ(ERG)」のメンバーらは、何カ月も前からメイ首相に挑戦すると警告してきた。だが今、なぜ彼らがちゅうちょしていたのかが分かった。保守党議員による信任投票での200対117というメイ首相支持の結果は、党内で長らく実力以上の影響力を持っていた小規模ながら口うるさい派閥に対する非難だった。保守党の規約に従えば、今後1年間は今回のような党首の座への挑戦は不可能となる。従って、来年3月にブレグジットが正式に開始される以前に、反乱勢力がメイ首相を追い落とすチャンスはなくなったのだ。
生き残ったメイ英首相
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