部長から聞き取った
社労士は課長の行為を回答する

 セクハラに関する話をざっと終えたところで、E社労士は本題に入った。

「A課長は、Bさんにどんな行為をしたのか?」

 するとD部長は、Bから聴き取った内容を社労士に伝えた。内容は以下である。

(1)彼女の存在をはじめプライベートな話を根掘り葉掘り聞きまくったこと
(2)Bが嫌がっているのに無視して彼の体を触っていたこと
(3)A課長は既婚者なのに、Bとの関係を迫っていたこと
(4)Bが拒否すると「主任試験に合格させない」と脅したこと

 D部長が説明し終えたところで、E社労士は即座に答えた。

「A課長のB君に対しての行為はセクハラになるよ。それに加えて主任試験を盾にして関係を迫ったことはパワハラでもあるわけだ」
「じゃあ、会社としてどうすればいいんだ?」

 今回の件について、E社労士は以下の4点をアドバイスした。

(1)セクハラとパワハラの実態調査として、A課長及び営業部の社員から聞き取りを行うこと。
(2)(1)の結果を踏まえ、A課長の処遇を考えること。
(3)C部長には、セクハラに対する考えを改めてもらうこと。今回の対応はBに対するセクハラになると説明すること。
(4)(3)を踏まえ、管理職を対象にハラスメント研修を徹底して行うこと。

 D部長はまずC部長に会い、E社労士のアドバイスを伝え自身のセクハラに対する考えと、Bに対する対応の誤りを指摘した。そして営業部の聞き取り調査への協力を依頼した。C部長は猛省し、協力を約束した。

聞き取り調査開始
D部長改めてビックリ

 その後、D部長は直ちに営業部内での聞き取り調査を行った。その結果、A課長がBを気に入っており、2人きりになるためにBだけ居残りさせていたこと、仕事中不用意にBの肩をもんだり後ろから抱きついたりするなど、体を触ったりしていたこと、また新年会の席上でBに不倫関係を強要し、「拒否すれば主任試験に合格させない」と脅しをかけていたのを聞いた…等々の事実が明らかになった。また、皆がA課長のBに対するえこひいきを心よく思っていないこともわかった。

 さらに、新年会の席上でBにずっと抱きついていたA課長の様子について、面白がってスマホで動画撮影していた社員から見せてもらった。次から次へと出てくるA課長の言動に、D部長は改めてびっくりした。

「何たることだ!上司としてあるまじき行為だ!!」