新年早々「女性らしさ」という言葉で部下を傷つけたマネジャーの過ちPhoto:PIXTA

昨今、多様性の時代だといって、管理職向け「ダイバーシティ研修」を行っている企業も少なくありません。しかし、そもそもの認識を間違っていると、いくら研修を受けても意味がないものです。管理職養成講座第26回では、何気ない一言で女性部下に不快な思いをさせてしまったマネジャーの事例を紹介します。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)

正月の過ごし方を間違えて聞いた
37歳男性マネジャー

 コンサルティング企業に勤めるNさん(男性・37歳)は、同期の中でも出世が早く、クライアント企業や上司からも優秀だと評判の2年目のマネジャーです。

 6人の部下のうち、半数は20代の若手社員です。仕事始めということもあり、メンバーとコミュニケーションを取ろうと思ったNマネジャーは、近くの席に座る部下Aさん(女性・28歳)に、お正月はどう過ごしていたかと尋ねました。

 しかしAさんは、その会話以降、なんだかイライラしたまま過ごしています。いったいどんな会話だったのでしょうか、そのときの会話をご覧ください。

Nマネジャー 「お正月はゆっくり休めましたか?」
Aさん 「そうですね…」
Nマネジャー 「そういえば、実家には帰らなかったの?」
Aさん 「実家には、あまり帰らないですね。いろいろと面倒なことが多いので。今年は、自分の家でお正月を迎えて寝正月でした」