ところが鄧小平が「改革開放」政策に転じてから、資源や食料を海外に依存する海洋国家――「シーパワー」へと中国は変身し始めました。中国海軍の劉華清司令は鄧小平にこう進言します。

「2010年までに沖縄までの第一列島線、2020年までにグアムまでの第二列島線を、支配下に置きましょう。この地域から米軍基地を撤収させるのです」

 1991年のソ連崩壊で北方の脅威が消滅した90年代以降、中国海軍の増強が急ピッチで進みました。その帰結が尖閣周辺での領海・領空侵犯であり、南シナ海での軍事基地建設なのです。地政学的観点から見れば、中国がやっていることは極めて合理的です。これを道徳的にいいとか、悪いとかいっても仕方がないのです。

 問題なのは、中国のシーレーンと日本のシーレーンとがぶつかっていることです。中国からこれを見れば、「日本は世界最強の米軍と結託して中国のシーレーンを脅かしている」ということになります。