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CES 2019メイン会場のラスベガス・コンベンションセンター  筆者撮影

 「CES 2019」取材のため、年明けから米ラスベガスに滞在しています。メイン会場では昨年に続き今年もグーグルが存在感を放っており、アマゾンとの間で家電製品と連携する音声アシスタントのシェア争いが焦点になりそうです。本連載では年明け最初となる今回は、個々の発表を見ていく前に、2019年がどういう年になるのか占ってみたいと思います。

■スマホを前提にした社会変革が加速

 ここ数年、日本を含む先進国では社会のデジタル化が注目を浴びています。ここでいうデジタル化は紙の書類をデータに置き換えるだけでなく、デジタル技術の存在を前提に、仕組みやルールを再定義していく動きを指しています。

 こうした動きは、フィンテックや不動産テックに代表される「○○テック」や、シェアリングエコノミーなどの形で現実のものになっています。

 背景にあるのはスマホの普及です。誰もがどこでもネットにつながる高性能端末としてスマホを持ち歩くようになったことで、スマホがあることを前提に新しいサービスを提供できるようになってきました。

 あらためて言われるまでもなく、スマホがすでに生活必需品になっているという人は多いでしょう。これからはそれだけでなく、スマホを持っていないと損をする場面、スマホがなければアクセスできないサービスが確実に増えていくでしょう。

 たとえば筆者は米国に到着後、ライドシェアの「Lyft」でクルマを呼び、アプリの地図で行き先を指定して移動しています。コンビニでは日本のクレジットカードを登録した「Apple Pay」で支払いをしています。ATMから現金を引き出せるプリペイドカード「JALグローバルウォレット」では、アプリを通じて日本円からドルへの両替をしています。

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コンビニの決済端末。Apple Payで安全にクレジットカード決済ができる。

 昨今話題のキャッシュレスも、スマホを前提としたサービスが増えています。QRコードならスマホの機種を問わず使えますし、アプリを使えばクーポンも発行できます。PayPayの20%還元のように、スマホを使える人だけが得をする場面は今後ますます増えるでしょう。

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キャッシュレスではスマホを前提としたサービスが増えそうだ。

■スマホは本当に誰もが持てるものなのか

 ただしスマホがますます重要になる一方、スマホは本当に誰もが持てるものなのか、という視点も重要です。

 スマホの使いこなしは家電製品のように簡単ではありません。操作はPCより簡単とはいえ、インターネットを安全に利用するためのリテラシーが必要になります。説明書を読んで電源の入れ方をおぼえるだけでは不十分です。

 一方、スマホ以外の方法でネットにアクセスする流れもあります。最有力候補が音声アシスタントです。スマートスピーカーを通じて家電が音声操作に対応するというのは、今年のCESでも重要なトレンドになるでしょう。

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米国の家電量販店ではアマゾン対グーグルの勢力争いも

 スマホをより安く、シンプルに使えるようにしようという動きも進んでいます。2018年後半から盛り上がった携帯料金値下げ議論もその1つ。すでにサブブランドやMVNOが展開する中、大手キャリアの単純な値下げだけでは解決できない状況にあり、議論の行方が注目されます。

■スマホ市場の変化も予想される

 スマホ市場自体も変化が予想されます。アップルは中国でのiPhone不振から業績見通しを下方修正し、年始早々「アップル・ショック」として報じられました。日本では大手キャリアの端末購入補助が問題視されており、ソニーモバイルのようにハイエンド製品を投入してきたメーカーは戦略の見直しを迫られそうです。

 2018年に日本市場でシェアを伸ばしたファーウェイは、米中対立の板挟みになり、年末には連日のように社名が報じられることになりました。中国という国に対する不安感はあるものの、日本法人が打ち出した真摯なメッセージはおおむね好評価を得ており、2019年も販売拡大の見込みが出てきたといえます。

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ファーウェイ・ジャパンによる説明はおおむね好評価を得ているようだ。

 ほかにも、2019年後半には5Gの先行サービスや楽天のキャリア参入など大きな話題が控えています。そうした流れの中でも、「スマホを誰もが持てるようになるか」という視点は欠かさず持っていたいと筆者は考えています。