開成・麻布・筑波大駒場・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮された最新刊『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「男の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

親が子どもに求めるべきなのは、「勉強時間」ではなく「勉強の生産性」

とにかく「目の前のタスク」をこなす習慣を身につけさせる

 ○○中学に合格したい。

 そのためには、この学習教材を6年生の夏休みまでに終わらせたい。

 そのためには、1日5ページずつやらなければならない。

 このように、目標から逆算して、スモールステップに落とし込んでいくのが大人たちの信じる正しいやり方です。実際に大人たちは、この方法でいくつかの仕事を成功させてきています。

 しかし、小学生の男の子は、今自分がやっていることを現実の目標につなげることがなかなかできません。そのため、最終的な目標をいくら意識させてもモチベーションは保てません。

 そこで、発想を逆にします。

 1日5ページずつ教材をやった。

 そうしたら、6年生の夏休みまでに終わった。

 そうしたら、○○中学に合格できた。

 結果が同じなら、これでもいいわけです。この流れを、結果につながる確かなものにするために、男の子には、ご褒美を活用しながら、目の前のことを終わらせる習慣をつけさせましょう。そして、適宜「進んでいる?」と声をかけてあげましょう。

 「目標に向かって自発的に動いてほしい」という親の気持ちはわかります。しかし、そもそも男の子が立てる目標は現実的ではないため、自発的に動けば動くほどおかしなことになっていきます。

 親がすべきことは、とにかく目の前のタスクをこなす習慣を身につけさせることです。