受験勉強も社会に出ても大切なのは「生産性」

 「1日に、どれくらい勉強させればいいでしょうか」

 中学受験を考えている親御さんからよく受ける質問です。しかし、残業時間ばかり長くて生産性の低いビジネスパーソンが評価されないのと同じで、いくら長時間机に向かっていても、ぼけっとしていたら意味がありません。子どもの生産性を上げるマネジメントが必要なのです。

 ところが、父親にはまだ熱血漢タイプが多く、「俺が子どもの頃は毎日5時間は勉強したもんだ」と、勉強にかけた時間を重視したがります。

 一方で、エクセルを使って子どもが解いた問題を管理し、「時間は関係なく成果だけで見ています」という父親もいます。

 もちろん、熱意も必要ですが、大事なのは「できたか・できないか」。できた数を増やしていけば、それだけ合格に近くなるわけです。

 だったら、同じ10問を解くのに、1時間かけるよりも30分のほうがいいに決まっています。残りの30分をほかの問題を解くことに使えるからです。

 「時間をたくさん費やせばいいのではない。そこでどれだけ数ができたかという生産性が重要なのだ」ということを、子どもの頃からわかってもらうことが大事。時間が限られた中学入試ではもちろんのこと、社会人になってからも生産性は必要です。

 そのためにも、タイマーやストップウオッチを用いて計測し、短い時間で最大限の力を出し切ってみる経験が必要なのです。