5ヵ月前のイメージ図が一転
不可思議な軌道修正

 とはいえ、これを額面通りに受け取ることは難しい。これまでの経緯を丹念に検証してみると、ブラッシュアップのための十分な時間があるようには見えないからだ。

 まず、今回ブーイングの嵐だったデザイン案について、経緯を見てみよう。御堂筋線9駅、中央線6駅、計15駅のリニューアル計画は、そもそも昨年7月に発表された中期経営計画で公表されたものだ。ところが経営計画の説明資料に具体例として記載された新大阪、中津、心斎橋のコンセプトとイメージ図は、5ヵ月後の12月に「活力インフラプロジェクト」で示されたものとは異なっていた。

 3駅の新旧計画を比較すると、新大阪は「近未来の大阪へ」から一文字消えて「近未来の大阪」になっただけだが、中津は「梅田の北の玄関口」が「プレゼンテーション」に、心斎橋は「おしゃれの発信地」が「テキスタイル」に変更されており、イメージ図も壁や天井の意匠が大きく描き換えられている。なぜ先行して発表された3駅の計画が、わずか5ヵ月で軌道修正されてしまったのだろうか。

 大阪メトロの駅改装は、市営地下鉄時代に「グランドリニューアル」として着手された工事を引き継いで始まった。例えば梅田駅のリニューアルは、公募型プロポーザルにより事業者を広く募集し、『「日本の美、ほのぼの」LIGHT&SHADOW』をデザインコンセプトに着手したものだ。

 ホーム部分の工事は2015年に完成、改札口周辺の工事も完了間近となっており、実際に7月の中期経営計画には梅田駅の改装は2018年度に完了すると記載されていた。

 新大阪、中津、心斎橋についても市営地下鉄時代に着工済みで、おそらく先行して発表されていた3駅の完成イメージ図は、発注時に作られたものだろう。このうち、2019年度にリニューアルが完了する予定だった新大阪と中津の工事はかなり進んでおり、中津のホーム側壁に設置された化粧パネルは、旧イメージ図と同じ形状をしていることも確認できる。