北方領土問題の元凶「ロシア包囲網」
写真:ユニフォトプレス

国際情勢の目まぐるしい変化が国政や金融市場を振り回しています。特に近年、海洋進出問題が著しい中国をはじめ、混迷する東アジア情勢から目が離せません。駿台予備学校・N予備校で受験生に世界史を教える茂木誠氏がわかりやすく解説する連載の最終回は、ロシア情勢と北方領土問題を取り上げます。

 トランプ大統領の懐刀、「マッド・ドッグ(猛犬)」と呼ばれ、湾岸戦争やイラク戦争で軍歴を重ね、中東に展開する米中央軍の司令官をも務めたジェームズ・マティス国防長官が、2019年1月1日付けで辞任しました。2018年12月19日、トランプ大統領がシリア駐留米軍の撤収を発表したことに、マティスが反対したことが直接の要因のようです。

なぜ中東で「アラブの春」が
起こったのか?

「アラブの春」と一時期もてはやされた中東諸国の騒乱。実は中東における親ロシア政権の打倒を目的として、CIA(米中央情報局)やジョージ・ソロスら国際金融資本の手によって入念に計画された謀略の性格を持つことが、徐々に明らかになってきました。

 彼らは旧ソ連から独立したウクライナやジョージア(旧グルジア)での政変でも暗躍し、反ロシア政権の樹立に成功しています。ウクライナが欧米側に寝返り、NATO加盟交渉を始めようとした時、ロシア黒海艦隊の基地セヴァストポリがあるウクライナのクリミア半島をプーチンが併合しました。その代償としてロシアはG8(サミット)から追放され、経済制裁を科されたのです。