『週刊ダイヤモンド』1月26日号の第1特集は「バラマキ7000億円を取り戻せ!!最新税攻略法」です。今年10月に予定されている消費税10%への値上げは、家計へ重く圧し掛かってきます。節税手法は年々と先細りしていくのが実態ですが、実は国策に応じた形で使える節税術があるのです。その中でも、これからの確定申告に向けて最低限押さえておくべき節税術を紹介します。(本記事は特集からの抜粋です)
税金は取りやすいところから取る。その最たるものがサラリーマンの給料だろう。その一方で慢性的な人手不足を補うために、パート勤務であるサラリーマンの配偶者にもっと働いてもらいたい──。
そうした国の思いが色濃く反映されているのが、ここ最近、頻発しているサラリーマン向けの税制改正だ。改正の中身は複雑化しており、正確に把握することは難しい。そこで最低限押さえておくべき要素を確認しておこう。
まずは、2018年に改正された配偶者控除と配偶者特別控除についてだが、「103万円の壁」という言葉を聞いたことがあるだろう。これは、配偶者のパートやアルバイト収入が年間103万円を超えると所得税がかかるのに加え、納税者本人の配偶者控除を受けられなくなるという、配偶者の収入限度額を意味している。
この103万円の壁が税制改正によって「150万円の壁」に拡大し、47万円もアップすることとなった。そして、配偶者の年収が150万円(所得85万円)を超えると控除額は段階的に下がり、年収201万6000円(同123万円)で0円となる(下図参照)。