上場企業や消費財系など、
有名経営者は火種になりやすい

 不公平なことに、同じことが起きても社会的に問題になる(不祥事と認識される)かどうかは、会社によって違う。

 容易に想像がつくように、経営者が有名であれば、小さなことでもすぐに大きな話題になる。会社のステータスとして、上場企業か非上場かというと上場企業のほうが社会的関心は高いし(株主にとっては死活問題だ)、 消費財企業と生産財企業を比べれば、消費財企業、さらには安心安全に直結する会社(たとえば食品会社)は一般社会の関心の的になる。

 実際に、生産財系の企業では、価格カルテルや環境問題などがいくたびも問題になりながら、一般社会ではまるで取り沙汰されない(不祥事と思われていない)という例は多々ある。

 何も世の中に何を不祥事と呼ぶかを決めるための「物差し」があるわけではない。不祥事の報道や関心の持たれ方にも大きなバイアスがかかっているのであって、本当はさほどの重大性がないものを「不祥事」と感じているだけかもしれない。

 企業の組織犯罪には研究の蓄積があるが、SNS時代における企業不祥事とその社会への伝播についての質的および量的な研究は、まだまだこれからといった状況である。

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山進、構成/ライター 奥田由意)