「更年期のおばさんって、
すぐ『体調悪い』って早退するでしょ?」

 Sさん(46)は都内の企業に勤務する派遣社員。同じフロアには派遣社員が多く、ある日、数人が派遣期間満了で退社することとなったそうだ。その補充について30代の男性正社員2人が、Sさんのすぐ隣のデスクで話をしていた。彼らは派遣会社から推薦のあった人物のプロフィールを見ていたようだった。

 社員A「○○さんはどうですか? スキルも高いです」
 社員B「いくつ? 48歳か~。更年期じゃん」
 社員A「たしかに年齢は高めですけど」
 社員B「まぁ、更年期のおばさんでもいいんだけどさ。でも、更年期のおばさんってすぐに『体調悪い』とか言い出すでしょ? とくにどこが悪そうでもないのにやたらと『体調悪い私』をアピールして、病院行くとかいって早退しちゃうでしょ? 使いづらいんだよね、更年期のおばさんって。まともに働いてくれるんならいいんだけど」

 社員「A(愛想笑い)」

 自分の隣で、しかも大声でしゃべる彼らの様子にSさんはいたたまれない気持ちになったという。

「聞こえないふりで仕事を続けましたが……“更年期のおばさん”って言葉を、さも面白いギャグのように連呼する男性社員の幼稚さにただただ呆れるばかりでした。この会社では、今年入った新入社員が『うつです』と言って2人も続けて退職している。でも、うつに対しては、それを誰もギャグみたいにして話したりはしない。なのに、なぜ『更年期』で『おばさん』であることは、バカにして笑い話にしていい対象だと思われてしまうのか……不思議なんですよね」と、ため息まじりに話してくれたSさん。こうも続ける。

「Bさんがまだ30代半ばであったことも、暗い気持ちになってしまった原因の1つです。正直、私が若い頃は、40代の女性社員がなにか主張を通そうとすると『キーキー、ヒステリックだな。更年期だろ』と、平気で言ってのける40、50代の男性社員は山ほどいました。でもモラハラやパワハラが問題となっているこの時代を生きる30代であっても、当時と意識はなにも変わってないんだと、今回のことで痛感して……」