──日本の外食産業は飽和状態といわれます。

サラ・カサノバ社長兼CEOサラ・カサノバ/1965年カナダ生まれ。マックマスター大学大学院経営修士課程修了後、91年にマクドナルドカナダ入社。04年日本マクドナルド執行役員マーケティング本部長、13年8月より現職 Photo by M.K.

カサノバ 私は、まだまだポテンシャルがあると思っています。日本の人口動態の変化を考えると、女性がもっと社会進出する必要がある。他国の例を見ても、そうした国では外食が増え、利便性やお得感が求められるのでマクドナルドにとって追い風になります。

 今後は高齢化社会となりますが、マクドナルドには友人とコーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しんでいるシニアのグループ客も多い。カナダにいる私の父も、週4回も友人とマクドナルドに行っているんです(笑)。

 もちろん1人でもマクドナルドでは心地良く過ごしてもらえますし、海外のインバウンド客はマクドナルドに親しみを持っている。これらを考えれば、日本のポテンシャルは非常に大きいと見ています。

おもてなしを専任で行う
未来型店舗を沖縄で実験

──マクドナルドが今後展開を目指す「未来型店舗」とは何でしょうか。

カサノバ 沖縄で現在、客のおもてなしを専任で行う「ゲスト・エクスペリエンス・リーダー」、商品を座席まで運ぶ「テーブル・デリバリー」、そして携帯電話で事前注文できる「モバイル・オーダーペイ」の試験運用を始めています。既に海外のマクドナルドで導入されているサービスですが、日本で成功するか試しています。お客さまにとって本当に使い勝手がいいか、店舗体験をさらに高めることができるかといったことを調査をしているところです。

──そうしたサービスを充実させると、おのずと価格を引き上げざるを得ないのではないでしょうか。

カサノバ サービスを向上させながら、チームで効率を上げるにはどうすればいいのか合わせて考えていますので、値上げするつもりはありません。

──今年10月の消費増税の影響についてどう考えますか。

カサノバ やはり財布の紐は固くなるのでしょう。私たちのゴールは、「Q」(クオリティ=品質)、「S」(サービス)、「C」(クリンネス=清潔さ)に加え、「V」(バリュー=価値)を向上させ続けることです。特に「V」に対する見方はよりシビアになるでしょう。支払った金額に対する価値を上げることでお客さまの期待に応えたいと思っています。