激変する世界で、いま「何」をすべきなのか?――訳者より
この数年で世界は激変した――とくにトランプ大統領の誕生によって、そう実感した人は多いだろう。
テクノロジーの急速な発展によって、人や組織、経済、政治が境界線を越えて密接につながった世界で、情報伝達だけでなく、社会の権力構造にも大きな変化が現れている。
巨大IT企業が急成長を遂げ、社会経済の基盤となったいっぽう、ミートゥー運動のような、これまでは力を持たなかった大勢の個人が団結した大規模なムーブメントが各地で起こっている。
本書の著者、ジェレミー・ハイマンズとヘンリー・ティムズは、そうした世界的なパワーシフトを読み解き、理解するための画期的な枠組みを打ち出した。
それが「ニューパワー」と「オールドパワー」だ。
アメリカで今年の4月に刊行された本書は、またたく間に世界10か国以上で版権が取得され、世界の変化の本質を知るための必読書として、アメリカでは『ニューヨーク・タイムズ』紙、イギリスでは『フィナンシャル・タイムズ』紙で大々的に取り上げられるなど、世界的に大きな反響を呼んでいる。
ハイマンズは、21世紀型ムーブメントを展開する「パーパス」の共同創設者兼CEOであり、オーストラリアの政治組織「ゲットアップ」の共同創設者としても活躍。ティムズは、『ファスト・カンパニー』誌の「もっともイノベーティブな企業」にランクインした「92ストリートY」の社長兼CEOであり、1億ドル超の募金集めに成功した「ギビング・チューズデー」の共同創始者としても知られる。ともにニューパワーの実態を知り抜き、ニューパワーによる変革の先頭に立って、社会にインパクトをもたらしてきた。
本書には有用な図表がいくつも登場するが、とりわけ秀逸なのがニューパワー・マトリックスだ。ニューパワーとオールドパワーの「ビジネスモデル」と「価値観」の組み合わせにより、組織を4つのタイプに分類する。
どこに当てはまるかを考えれば、組織の特徴や立ち位置を理解でき、ほかの組織とも比較しやすい。たとえばフェイスブックは、「ビジネスモデル」はニューパワーでも、「価値観」はオールドパワー。アップルは「ビジネスモデル」も「価値観」もオールドパワーの企業だ。同様に、ニューパワー・マトリックスのリーダーシップ版も、じつに興味深い。
ビジネスや政治、社会運動からポップカルチャーまで、現在の世界で躍進しているのは、新旧ふたつのパワーを巧みに織り交ぜ、駆使している人物や組織やムーブメントだ。
本書では、NASAからローマ教皇まで、あらゆる分野でニューパワーを取り入れた大胆な改革を行った数々の実例を紹介。TEDやエアビーアンドビーの成功、全米ライフル協会の強さの秘訣などを解き明かすいっぽう、ウーバーのような失敗を犯した企業についてもその理由を明らかにする。
また、ニューパワーのムーブメントを一過性の効果で終わらせないためには、人びとの継続的な「参加」をうながすコミュニティの育成に尽力すべきと指摘し、その具体的な方法も詳細に解説する。
これからの10年、20年にも、世界では予想のつかない変化が起こるはずだ。本書は私たち一人ひとりが当事者意識をもって、変化に取り組む方法を示している。まさに現代社会を生きるすべての人にとって示唆に富んだ指南書と言えるだろう。
<大反響! 連載人気ランキングベスト3>
【第1位】超SNS時代に「今の一流」が落ちぶれる理由
【第2位】オンラインサロンやSNSのファンが「桁外れの献身」をする鉄板パターン
【第3位】情報を「拡散できない…」と嘆く人が知らない3大鉄則
■新刊書籍のご案内
発売即大重版!
土井英司氏「今年最高の一冊」、
今の世界の変化に対応するための「救世主」と激賞!
(「ビジネスブックマラソン」vol.5170より)
20世紀は、大手企業、大組織、政府などが権力を持つ「オールドパワー」の時代だった。だがテクノロジーの発展の結果、いまや大組織がパワーを溜めこむことは不可能となった。21世紀は、個人が権力や影響力を持てる「ニューパワー」の時代だ!
サブスクリプション、コミュニティ、クラウドファンド…
「拡散戦略こそが全て」となったこの世界で何をすべきか?
本書ではこれからの時代におけるパワーのつかみ方、権力や影響力の生み方、使い方について、まったく新しい考え方を紹介する。世界を根底から変えている「パワーのシフト」の本質が一気につかめる本書、激変する時代を生き抜き、成功を目指す者にとって、必読の一冊だ。
ご購入はこちらから↓
【Amazon】 【紀伊国屋WebStore】 【楽天ブックス】