ファミリーマートは昨年から展開していた「うまいパン決定戦」の結果を発表した。優勝したのは山崎製パンと神戸屋のナショナルブランド(NB)のパンメーカー2社。しかし、この決定戦は「ファミマが有力NBメーカーと組み、プライベートブランド(PB)商品拡充に動くセブン-イレブン・ジャパンに対する強烈なアンチテーゼとして行ったのではないか」(コンビニ業界関係者)という声も上がっている。(流通ジャーナリスト 森山真二)
ファミマの「うまいパン決定戦」は
NBメーカーの鬱憤を晴らすもの
ファミリーマートは1月24日、パンメーカー9社がファミマ向け独自商品の売り上げを競う「うまいパン決定戦」の優勝メーカーを発表した。フルーツをテーマにして商品を開発してもらい、販売額が多いメーカーが優勝を勝ち取るというキャンペーンでファミマでは初めての開催だ。
全国を5ブロックに分け、各ブロックでの販売額を競った結果、山崎製パンが3ブロック、神戸屋が2ブロックでトップ。優勝したのは山崎製パンの「白いメロンパン」と神戸屋の「まるでリンゴ」だ。
ファミマの沢田貴司社長は「今後も(パンだけでなく)いろんなバトルをやっていこうと(社内で)盛り上がっている」と話したが、この言葉は「うまいパン決定戦」が単なるキャンペーンにとどまらないことを示し、そこにはファミマのセブン-イレブンへの強いライバル心が見え隠れしている。
周知の通り、セブン-イレブンを中心に販売しているセブン&アイのPB「セブンプレミアム」は19年度(20年2月期)に売上高1兆5000億円を目指しており拡大中。どのコンビニよりも熱心に開発が進められている。