日本医師会は、その政治力と、政策提言能力には定評があり、日本最強にして最後の「圧力団体」と呼ばれる。しかし、日本医師会の会長は「圧力団体ではない」と反論する。医療改革や診療報酬について聞いた前編に続き、日本医師会の横倉義武会長のインタビューをお伝えする。(ジャーナリスト 横田由美子)
「圧力団体」という
イメージを払拭したかった
──横倉さんが会長を務める日本医師会(=日医)は、その他の業界団体が力を落とし、存在感を薄めていく中で、日本最強にして最後の「圧力団体」とも呼ばれています。政官界への政策提言力の強さには定評があり、一強状態となっている安倍政権でさえ、その存在は無視できません。しかも、横倉会長は連続4期当選で、坪井栄孝第15代会長(1996~2004年、元世界医師会長)以来、凋落を続けていた日医に勢いを取り戻し、近年まれに見る盤石な基盤を持つ会長と見られています。
横倉 そんなことはないと思いますが(苦笑)、私が医師会会長になって一番やりたかったことの1つに、日医の持つ「圧力団体」のイメージを払拭したかったというのがあります。