ライフスタイルで北向きを選ぶ人も

 愛犬のスピッツと夫婦お二人で暮らす40代の赤城さんご夫妻。都心で中古マンションを探していました。当初「南向き」も条件の一つとしていた赤城さん。同じマンションの「同じ階・同じ間取り」であっても、価格に580万円もの差があることで条件を検討し直したといいます。

 「私たちは共働きで日中家にいませんし、週末も愛犬と散歩に出たり、二人で出かけたりすることが多く、家にいるのは夜が多いのです。また、スピッツは暑さに弱い犬種のため、以前住んでいた南向きの部屋では、夏は自分たちがいない間も、一日中クーラーをつけっぱなしにしていました。そう考えると、北向きでもぜんぜんかまわない。むしろ北向きの方がいいのでは、という結論になりました。購入価格も抑えられて、いいことばかりです」とのことです。

 南向きより、あなたのライフスタイル向きに。住居選びの「常識」を疑ってみることも必要です。

日下部 理絵(くさかべ・りえ)

大学在学中の2001年に実施された第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。大学卒業後、マンション管理会社勤務を経て、マンションの総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」を設立。女性ならではの視点で、マンション管理組合の相談や顧問業務にあたる。また、数多くの調査を通じて、中古マンションの実態に精通する。
これまでに「東京都マンション管理アドバイザー」「東京都立城南職業能力開発センターマンション維持管理科 専任講師」「一般社団法人マンション管理員検定協会 理事長」「一般社団法人マンション建替支援機構 副理事長」などを歴任。
マンションやマンション管理に関して、セミナー講師やコーディネーター、テレビ・ラジオ番組などにも出演多数。また、マンション好きが高じて、個人投資家としても区分所有物件を都心部中心に複数保有している。
主な著書に、『マンション理事になったらまず読む本』(実業之日本社)、『マンション管理組合・管理会社 これからのマンション管理ガイド』(ぱる出版)、『マンションの設備・管理が一番わかる』(技術評論社)、『目指せ! マンション管理員』(住宅新報社)などがある。