北向きは、安く買えるメリットがある

 確かに南向きは太陽の恵みをたくさん享受できます。そのため、昼間や休日など、家で過ごすことが多い場合には、南向きのリビングやバルコニーを選ぶと満足度が高くなります。

 しかし、同じ南向きでも都心部などの住宅密集地は、目の前にマンションがあるなど建物と建物の距離が近く、日当たりの悪い部屋も多く存在するため注意が必要です。

 さらに近年のマンションでは、バルコニーにプランターを置いたり、布団や洗濯物を干すことを安全性や景観を理由に禁止されている物件もあります。

 でも、中古マンションであれば、実際にそういった面を確かめることができます。

 また、実は直射日光が当たらない北向き以外は、どの方角でも日照時間に大きな差はないといわれており、実質的には西向きが一番長いといわれています。

 しかし、価格は「南向き」→「東南・南西向き」→「東・西向き」→「北向き」の順で安くなるのが一般的です。

 ただし、北向きでもウォーターフロントなど眺望が良いと高めの価格設定もあります。いっぽうで南向きでも景観などによって相対的に割安感のある住戸もあります。

 また、タワーマンションの北向きはねらい目です。

 一般的には直射日光が入らない北向きですが、タワーマンションの高層階では、地表面の反射により外が明るく感じます。

 たとえば、南向きはほかのタワーマンションで視界がふさがれているような物件でも、北向きは見晴らしが良いということもあります。個々の間取りだけでなく、部屋ごとの景観の違いを確認してみることが重要です。