刑法犯認知件数と人口総数の割合で犯罪発生率が都道府県別で1位の大阪府。平たく言えば、全国で一番治安が悪いということだが、府警は600ヵ所ある交番すべてに防犯カメラを設置する準備を進めている。

 現在は交番内を写すカメラは置いていないが、来年度中に主要駅にある鉄道警察隊4分駐所を含む604ヵ所に設置する方針だ。訪問者に対応する事務室の天井に取り付け、24時間体制で撮影する。これまでは警察官が家族と住む駐在所だけに設置されていた。

 また、警察官に対する指導用動画で「訪問者より先に座らない」「対応する机にははさみなどを置かない」などと教示。拾得物を届けに来た訪問者や道を尋ねられた場合、訪問者が複数だった時など、いろいろなケースに即した対応方法を府警内部のオンラインで閲覧できるようにしている。

 さらに昨年6月の富山市の事件では交番裏口のドアをノックした島津容疑者が、対応した警察官を間髪入れず襲撃していることから、府警は各署に交番裏口の訪問者対応を禁止。交番の入り口と執務場所をカウンターで仕切るようレイアウトの変更を進めているという。

 交番の対策は進んでおり効果も出ているが、もし駐在所で警察官が拳銃を強奪され、強奪犯が通り魔となった時、最初に狙われるのは一緒に住む家族だろう。もちろん家族は丸腰で、特殊な訓練は受けていない。

 前田容疑者は今回、事件でその危険性を具現化し、ある意味で教訓として示した。交番だけでなく、駐在所の安全対策の見直し・強化も急がれる。