若いときにチャレンジを

 イノベーションには、知力だけでなく体力と気力が必要だ。この三つが一番そろっている青年の時期に生活に余裕を持つことで、じっくりと次のチャレンジのための準備をすることができる。その多くが起業し、またスタートアップに参加するのである。雇用の保証も年功序列もないが、自分のやりたいことに取り組むので表情は実に明るい。自分の主体的な意思でチャレンジしているからである。起業家サラリーマンもこれと全く同じことである。

 しかし、サラリーマン個人の精神を今から変えることは並大抵のことではない。だから、もともと起業家サラリーマンの素質がある人材にチャレンジの機会を与える方が確実だ。

 それらの人材として注目すべきは「女性、若者、よそ者、変わり者」だ。組織への帰属意識が希薄で、まずは自分自身の頭で考えられる人を発掘するのだ。

 これらの人々には年功序列ではなく、実力でどんどんチャレンジの機会を与える。雇用保証をなくす代わりに、給料を惜しみなく与えるべきだ。早くから蓄えを持てば、その起業家サラリーマンたちのチャレンジは、企業に大きなイノベーションをもたらすだろう。

 新しい時代に向けた、起業家サラリーマンの出現を望む。

*「週刊ダイヤモンド」2019年1月19日号より転載。「シリコンバレーの流儀」は隔週連載です