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ソニーモバイルの中位機種が脚光を浴びる日が来るかも 筆者撮影

 携帯料金値下げ議論において、端末と回線の分離に向けた動きが進んでいます。端末購入補助による「実質○円」の販売モデルがなくなり、端末が定価で売られる時代がきたとき、主役になりそうなのが「4万円スマホ」です。

■10万円のスマホも定価販売が基本に

 NTTドコモは携帯料金の「2~4割程度の値下げ」を2019年度第1四半期に実施すると予告しています。2月1日の決算会見で具体的な姿が見えてきました。

 ドコモはシンプルで分かりやすい新料金プランを設計しており、吉澤社長の説明から、正式発表は4月または5月、提供開始は夏モデルが発売される5月後半から6月になると予想されます。

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2019年度第1四半期に登場予定の新プラン
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NTTドコモ吉澤和弘代表取締役社長。2月1日の決算説明会より

 新料金プランは端末と回線を分離した、いわゆる「分離プラン」になるとみられます。端末は「正価で買っていただくのが基本」(吉澤社長)で、「月々サポート」のような高額の端末購入補助はなさそうです。

 これまでは端末購入補助のおかげで、2年契約時に10万円のスマホを「実質3~4万円」で買うことができましたが、これからは10万円のスマホは10万円で買う時代になるというわけです。もはや、高額なスマホは売れなくなるのではないか、という疑問が湧いてきます。

■中位機種拡充、新規参入はあるか

 プレミアムクラスのスマホとして最初に思いつくiPhoneについて、ドコモは意外と楽観的です。「iPhoneは愛しておられるユーザーも多く、多少高くても買ってもらえるのではないか」と吉澤社長は予想します。

 実際にはiPhone 8のように少し前のモデルが売れており、必ずしも最新モデルが売れるとは限らないものの、iPhoneを指名買いするユーザーは今後も何らかの形でiPhoneを買い続けるでしょう。

 一方、大きな変化が予想されるのがAndroidです。

 ドコモは4万円以下の中位端末をdocomo withで提供していることを例に挙げ、「ミッドレンジ(中位機種)をさらに拡充し、長く使ってもらえるようにする」(吉澤社長)との方向性を示しました。

 SIMフリー市場で3万円前後のスマホが人気を占めているように、スマホを一括で買うのに「4万円以下」は手頃な価格帯といえます。

 たとえばソニーモバイルは、海外向けの中位機種としてXperia XAシリーズやXperia Lシリーズを展開しています。これまで日本向けには上位機種ばかりでしたが、今後は中位機種の投入もあり得るのではないでしょうか。

 サムスンはすでにdocomo with向けに「Galaxy Feel2」(海外ではGalaxy A8)を発売済みで、海外では幅広い価格帯にラインアップを展開しています。

 同じく高コスパ端末を取りそろえるファーウェイは、米中摩擦の行方が気になるものの、ドコモは「現時点では端末の販売を継続する」との姿勢を取っています。

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日本でGalaxy Feel2とした発売された「Galaxy A8」

■追いこまれる国内メーカー

 ASUSやHTCはスマホ事業が厳しい状況に置かれているものの、国内のSIMフリー市場で実績のあるOPPOやモトローラにとってもチャンスといえます。

 新規参入にも期待です。

 数年前、日本でMVNOやSIMフリー市場が急拡大した際には海外メーカーが続々と参入しました。グローバルの上位メーカーとしてXiaomiやVivoは日本に上陸しておらず、ほかにも新興メーカーは続々と生まれています。

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タイではOPPO、Vivo、モトローラなどがキャリアから売られている
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2018年末の台北で目立っていた女性向けスマホブランド「Sugar」

 逆に、分離プランで苦しい立場に追い込まれるのが、大手キャリア向けの上位機種を主力としてきた国内メーカーです。

 ドコモは端末購入補助について「まったくないのはあり得ない」「アイデアを出していく」とはしているものの、限度はありそうです。このままでは定価で上位機種を売るか、中位機種でコスパ競争をするか、苦しい2択が待っています。