ビジネス的に成功を収めた人から、市井に生きる名もなき人まで、さまざまな分野にいる在日中国人を紹介するDOL特集『隣の中国人“ディープチャイニーズ”たちの肖像』。第11回は前回に引き続き、日本風の鉄板焼き店をメインに中国で300店を超える飲食チェーンを展開し大成功を収めた男を追う。今回は、日本と中国で半分ずつ過ごしているという彼の日常を追いながら彼の人間性に迫る。(ライター 根本直樹/取材協力『東方新報』)
上海のビバリーヒルズに住む
“やから風”中国人経営者
さまざまな業態の飲食店を中国国内の40都市で、約300店舗展開する中国最大規模の和食チェーン『大漁グループ』の総帥の丁家順(49歳)。中国で「和食の皇帝」と称されるほどの大物経営者だが、その型破りで自由過ぎる生活ぶりも有名だという。
丁は、一体、どんな人物なのか。真の彼に迫ろうと、上海虹橋国際空港から車で30分ほど、上海市郊外青浦区の高級住宅街にある丁の自宅を訪れた。
高層ビルが林立し、混沌としたメガシティ上海の中で、このエリアはまるでビバリーヒルズのようなセレブで閑静な雰囲気が漂う。庭付き、プール付きの豪邸が建ち並ぶ街では、子ども連れのオシャレなマダムたちが優雅に犬の散歩をしていた。