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大手食品製油会社は、インフレのほか、複合的な要因により段階的に価格を引き上げている。2026年は、どのような要素が影響を与えるのか。特集『総予測2026』の本稿では、日清オイリオの久野貴久社長に業界の予測、さらには外食業界の人手不足への対応策となり得るオイル商品について聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 下本菜実)
米バイオディーゼル政策の影響で
相場が下落した商品は?
――2025年度第2四半期の営業利益は前年同期比32.6%減の69.7億円でした。25年はどのような年でしたか。
25年は大豆や菜種、オリーブの作柄が良好でした。近年、気候変動や自然災害が激甚化しているほか、地政学的なリスクが高まっています。23年と24年は世界的にオリーブが不作でした。
価格が高騰した影響で、24年度の国内の家庭用オリーブオイルの市場規模は数量で22年度比60%弱にとどまりました。その経験を踏まえ、今は原材料の安定供給のために、産地の分散化を進めています。
大豆であれば、米国やブラジルから、もう一つの主要原料である菜種はカナダや豪州から調達するなど、原料産地を分散しています。さらに、大豆や菜種の他に、パーム油を活用するなど、油の種類や原料の買い付けを行う生産国も分散化に取り組んでいます。
25年、営業利益に大きく影響を与えたのは、米トランプ政権によるバイオディーゼル政策の転換です。
――バイオディーゼルの政策がどのように影響するのですか。
米環境保護庁(EPA)は25年6月、ガソリンやディーゼル燃料へのバイオ燃料の混合義務量を26年に引き上げることを発表しました。バイオ燃料は大豆油などから生産されるため、需要が高まるとの見通しで大豆油の国際相場が上昇したのです。
一方で、相場が下がっているのが大豆から油を抽出した後にできるミール(油糧)です。大豆は2割が油、残りがミールとなり、飼料や肥料として使われます。油の生産増に準じて、ミールの生産量も増えますが、需要はそれほど増えていないので相場が下がっている。この傾向は26年以降も続くとみています。
日本では、ミールは国際相場に応じた値段で取引されますが、油は価格上昇の反映が遅れている。二つのバランスで採算を取っている製油業界にとっての課題となっています。
――伸びているのはどのような分野ですか。
人口減少で国内消費量の先細りが想定される中、日清オイリオは新たな商品群に力を入れる。外食業界の救世主となり得るものとは何か。次ページでは、久野社長が具体的な商品を示す。また、海外市場での野望を明かす。







