市長交代で体制が変われば
役人の「敗者復活」もアリ!

 記者経験のある方ならば、きっと「あるある」と頷いていることだろう。

 若い時には、「ああ、みんな役所を少しでも良くしたくて内部告発をしてくれているんだな」と素直に受け取っていた。しかし、10年、20年とこういう人たちの情報提供を受けているうちに、そういう義憤にかられた人は少数派で、「とにかくこいつを引きずり降ろしたい」という思いが強い人の方が多いことに気づいた。

 もちろん、企業の内部告発をする人の中にも、そういう思いの人もいる。マスコミに「日産関係者」なんて感じで登場して、ゴーン氏の悪行を事細かに解説する日産社員などはその典型である。

 だが、企業人で敵を引きずり降ろすことに腐心する人の多くが、「会社を良くするため」「今のままでは私が人生を捧げた会社がメチャクチャになる」なんて動機なのとは対照的に、役所の人は「権力闘争」――つまり「政敵」を引きずり降ろすことで、自分のやりたいことをする、自分の居心地を良くすることを動機にしていることが多いのだ。

 例えば、あまり詳しく明かすと差し障りがあるが、昔ある地方都市の市役所職員にお世話になったことがある。この人は市長から煙たがられて閑職に追いやられていた。

 しかし、ほどとなくしてその市長は失脚した。職務怠慢ぶりや金銭問題が、マスコミで報じられたことが打撃となって、選挙で落選したのだ。次に市長になった方は副市長で、件の職員を昔から非常に可愛がっていた人物だった。そんなこともあって、この職員は閑職から、かねてから希望していた部署、役職へ抜擢されたのである。

 ここまで言えば、勘のいい方はもうお気づきだろう。実は副市長を擁立して、前市長のスキャンダルをリークしたのは、ほかでもないこの職員だ。つまり、彼が「フィクサー」として暗躍していたのである。