外国人労働者に低賃金労働を
押し付けることの愚かさ

 似たような悲劇が繰り返されているにもかかわらず、「しつけ」の名目で我が子をボコボコにする親が後をたたないことからもわかるように、日本では「大人の命令を聞かないバカな若者は、痛い目に遭わせて分からせるしかない」という教育哲学が骨の髄まで染みついている。

 不適切動画を投稿した若者を全力でたたき、クビにした元バイトを訴えて国民は拍手喝采――という大きな潮流はもはや止められないのではないか、と個人的には思っている。

 そこで気になるのが、この流れの先に突き当たるであろう「危機」のことだ。勘のいい方はもうお気づきだろう、外国人労働者による「テロ」だ。

 ご存じのように、今年から人手不足業界に続々と外国人労働者が投入されていくわけだが、なぜこれらの業界が「人手不足」となっているのかというと、「低賃金・低待遇」で日本の労働者たちから敬遠されるという、いわゆる「雇用ミスマッチ」が起きているからだ。

 これまで見てきたように、低賃金への不満が「バイトテロ」のトリガーになっている、という現実に鑑みれば、日本人の代わりに、低賃金や低待遇の仕事を押し付けられる外国人労働者が同じような事件を起こしても、何の不思議もない。

 ほとんどの日本人は、「外国人労働者」と聞くと、貧しい暮らしの中で、憧れの国・日本にやってきて、嫌な仕事も文句ひとつ言わずにキビキビ働く「おしん」のような奉公人のような人たちだと勘違いしているが、実はそんなことはない。

 低賃金や低待遇の仕事を押し付けられたら、日本の労働者と同じように不満を抱く。多くの外国人技能実習生が職場から失踪しており、しかも動機の67%が「低賃金」という法務省調査がすべてを物語っている。