この本によれば、「億万長者」と言われている人たちは決して華やかな暮らしをしているわけではなく、とても地味で質素な暮らしをしているそうだ。着飾って高級外車で毎夜パーティーに出かけるような生活をしている人は、意外と金融資産は持っておらず、どこにでもいる普通の人が億万長者だったりする ということが書かれている。

 この事実は、筆者の感覚とも一致する。この本にも出てくるが、資産作りの大原則は「入ってくる以上に使わない」ということだ。そのためには、まず何よりも「入」と「出」がどれぐらいあるかということを正確に把握していなければならない。

 世の中で、俗に「お金持ち」とか「資産家」といわれている人たちといえば、医師、オーナー、タレントといったイメージだろう。彼らに共通していえることは、収入が必ずしも一定ではないことだ。

 オーナーなら事業が当たれば大きなもうけが出るし、タレントは有名になれば出演料やコマーシャルで大きな収入が入ってくる。だが、下手をすれば一銭も入ってこないことだってありえる。医師といえども最近は競争が激化し、かつてのように安定的に高収入が見込める職業ではなくなりつつある。つまり「入」は読めないのだ。

 一方、「出」は、特別にぜいたくな生活をしていなければ、ある程度読めるはずだが、タレントなどは仕事柄、生活が派手になりがちだし、商売や事業をしていると設備投資や商品の仕入れなどの機会があれば、資金を出さざるを得ない。つまり「不安定な収入」と、「意図せざる支出」に悩まされ続けることになる。

 これに対してサラリーマンの場合、収入はずっと安定しているし、支出にしても大きな病気にでもならない限り、あまり意図せざる出費というのはない。すなわち「入」と「出」がきちんと読めるのがサラリーマンなのだ。

 したがって、やり方さえ間違わなければ、サラリーマンの方がずっと計画的に資産形成ができ、お金持ちになれる可能性はある。にもかかわらず、多くのサラリーマンはなかなか資産形成ができない。これは一体どうしてなのだろうか。