店舗数は純減 量より質を重視
増益分も投資へ

 なお事業利益とは、国際会計基準(IFRS)を導入している同社が、日本基準である同業他社の営業利益と比較するために独自に計上している指標だ。IFRSでいう営業利益のように特別損益や営業外損益を加味せず、日本基準の営業利益と同様に、営業収益から売上原価と販管費を控除したものである。いずれにせよ「ユニーなし」でも、今期は増益を実現できる見通しだ。その大きな要因は、中核事業であるコンビニにおける「量より質」の徹底だ。

 業界首位のセブン-イレブン・ジャパン、同3位のローソンが国内店舗数を純増させるのに対し、ユニファミHDの中核子会社でコンビニ事業を担うファミリーマートは、17年11月末時点の1万7656店から、19年2月末時点の計画では1万6854店に純減させる方針だ。

 店舗数よりも、既存店の好条件の立地への移転や、駐車場の拡張に注力。さらに赤字の直営店の閉店を加速させた。加えて、18年11月に統合が完了したサークルKサンクス(CKS)だった店舗約5000店のファミマへの統合が完了し、それまでCKSのオーナーに支払ってきた支援金の負担もなくなった。その結果「直営店の人件費や光熱水費を中心に、今期は第3四半期までに100億円超のコストを削減することができた」(中出邦弘・取締役専務執行役員CFO)。

 さらに、第3四半期までの累計で親会社所有者帰属利益は564億円に上る(図2)。ファミマ単体のコスト削減に加え、ユニーの持ち分売却で生じた繰り延べ税金資産225億円を計上できたことが大きい。

 ただし通期見通しでは、残り3ヵ月の間に不採算店舗の閉店や店内設備導入の前倒しを実施するため、最終的な同利益は440億円で着地するとみている。それでも、期初見通しより40億円の増益となりそうだ。

 本業の構造改革は成果を挙げつつあるものの、TOBの失敗は異例だった。そもそも買い付け価格の“値付け”は適切だったのか。図3のようにPPIH株は、ユニファミHDによるTOB発表前は5000円台半ばから後半で推移しており、6600円という買い付け価格が不当に安いとはいえない。ただし発表すると即座に高騰した。

 中出CFOは「PPIHは創業者である安田隆夫氏の資産管理会社や海外投資家が株式を保有し、流動性が低い。さらに、どんな高値でも当社が買うと市場に思われたのではないか」との見方を示す。

 一方で図4のように、ユニファミHDがユニー売却で得たキャッシュは計約2000億円。またTOBでは、買い付け価格の6600円に買い付け上限の株数を乗じると約2120億円だった。すなわちTOBでは、ユニー売却で得たキャッシュを原資とする計画だったが、結果的に手元に残った。この使い道について、うち約500億円で借入金を返済し、残り約1500億円は、親会社の伊藤忠商事に預託し、金利を得ながら、今後弾力的に使えるようにしておくという。

 最近は独自の決済アプリ「ファミペイ」を7月からスタートさせると発表するなど、各方面から熱い視線が注がれる決済分野で新機軸を打ち出した。今後は商品力のアップを含め、全国約1万6000の店舗網をいかに守り、育てていくかが問われる。