中国は今、一大転換期にある。その1つの方向性は“グレーゾーン”からの脱却だ。「昨日までOKでも明日からはダメ」という当局の政策転換に、日本人や企業も巻き込まれている。
中国で、これまで多くの企業が地方政府の“お目こぼし”のもとで成長を遂げた。多少のルール違反はあっても(あるいはルールそのものが曖昧なので)うまくわたりをつけることができる――、それが中国市場の裏の魅力でもあった。けれども、この“お目こぼし”の領域が徐々に縮小している。
日本のインバウンド市場を支えた「代理購入」もその典型例だ。中国に入国する際の税関検査はほとんど“ノーチェック”。そのため、これをすり抜けるようにして大量の海外製品が中国国内に手荷物として持ち込まれた。