GAFAへの対抗策

――デジタル製造業を標榜するシーメンス。一方、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)も産業データを取りに来る局面が訪れるかもしれません。

 私たち産業系企業はデータの源として機械があるわけです。オぺーレーションからのデータ。付加価値があるわけです。シーメンスは世界最大のクラウドベースのインダストリアルプラットフォームを持っていますが、データはあくまでお客様のものです。

 一方、たくさんのスキャンダルが、とりわけフェイスブックで見られます。消費者のデータをある意味人質にしている、そういった企業の意図は何なのでしょうか。

――日本ではAI(人工知能)、IOT(モノのインターネット)が普及してくると、「将来、製造業がなくなるのではないか」。最近日本の製造業からはそんな発言が聞かれます。シーメンスは未来の製造業の在り方をどう考えていますか。

 製造業がなくなってしまうという懸念は全く持っていません。ただしこの先変わるということは言えるかと思います。現実的に言いますと、AIとモノがつながることによって製造業は変革していくと思います。決してなくなるわけではありません。

 だからこそ、何が重要かと言いますとデータなのです。プラットフォームでデータがすべてつながっていく。そのプラットフォームでアプリケーションが構築されます。今後の製造業において、自動車にしてもコンピューターにしてもテーブルにしても椅子にしても、すべてのものでデジタルツイン(*フィジカル世界をデジタル世界に再現)がなされる。それによって最適化が可能になります。

 私は製造業の未来をポジティブにとらえています。

――シーメンスは巨大複合企業。歴代社長は「コングロマリット・ディスカウント(各事業を単体で営む場合の総和よりも市場からの評価が低迷している状況)」について常に問い質されてきたと思います。4月からの新体制(*カンパニー制に移行して収益性、成長性をチェックしやすくする)は解の一つだと思いますが。

 まさしく、その通りです。われわれ説明責任が増しています。時間の経過と共に結果が出てくるでしょう。